光とともに… 戸部けいこ

漫画家の戸部けいこさんがお亡くなりになったそうです。
享年52歳、余りにも早すぎる死に心が痛みます。


戸部けいこさんといえば『光とともに…』という自閉症児の子育てに奮闘する母親を描いた作品で、一般の人々に自閉症に関する理解を広げた方です。




この作品の特徴は、男女問わず幅広い年代に受け入れられる絵のタッチでしょう。(レディース誌に掲載されていたため、女性向けではありますが)
そして、ともすれば「母親ばかりが頑張らなければならない障害児の子育て」になってしまうテーマのところを、あえて理想の父親像ともいえる夫を登場させた点も、特徴のひとつです。


作品に出てくる「夫婦は車の両輪。どちらが欠けても走れません」という考えは、障害児を持った親だけではなく、世の全ての子供を持つ親に知って考えていただきたい名言であると思います。




それにしても、ほんの数日前に「そろそろ『光とともに…』の新刊が出てるんじゃない?」と職場で話して、本屋さんから「新刊発行は無期限未定です」と言われて心配していたのですが、まさか、こんなに早く作者がお亡くなりになるとは…


14巻では、光くんが思春期に突入し母親では手を出しづらい分野も出てくる、そんな内容で、実体験に基づいた「困った事」がこれからもどんどん出てくるのだろうと不安半分、期待半分で次巻を待っていただけに、本当に残念でなりません。


戸部けいこさんのご冥福をお祈りいたします。